高木 さん pixiv。 からかい上手の高木さん

#からかい上手の高木さん #SS 運命/からかい上手の高木さんSS

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からかい上手の高木さん短編小説。 俺と高木さんは3年へと進級した。 高木さんと一緒にいられるのも、あと一年。 来年の春には高木さんが居なくなる。 俺にとっても大切な一年間だ。 そして今回もまた、俺は高木さんと同じクラスになる。 3年間も同じクラスになるのは本当に奇跡的な事だ。 ー そして進級してからの初登校の日。 新しい教室に足を踏み入れた俺は、いきなり背後から誰かに声を掛けられた。 「西片、おはよう。 」 思わず俺は後ろを振り返る。 すると、俺の目の前に、高木さんが白い長袖のセーラー服を着て立っていた。 その高木さんの姿を見た俺は、いつもの通りに朝の挨拶をする。 「おはよう。 高木さん。 」 すると高木さんは俺の顔を見つめながら話した。 「ねぇ、西片。 今回もまた、一緒のクラスになったね。 今年最後の一年間、よろしく。 」 それを聞いた俺はなんだか恥ずかしくなり、高木さんの目線を外しながら話した。 「う、うん。 よろしく…」 高木さんに朝の挨拶を済ませると、俺は新しい教室の席へと座る。 今回もまた、俺と高木さんは教室の一番後方で、机を一緒に隣り合った席だった。 これで3年間、俺と高木さんは同じ隣り合った席になる。 本当に奇跡的な事だ。 ちなみに今回の席の配置は、高木さんが教室の後ろの扉に近い廊下側の席で、俺は外の窓際側に近い、左横の席だった。 この席の配置は、一年の時の席替えで経験している。 高木さんも、新しい教室の席へと座ると、さっそく俺に話し掛けてきた。 「ねえ、西片。 」 高木さんに話しかけられた俺はピンとくる。 "高木さん。 さっそく、俺をからかいにきたのか?" 俺はからかわれるのを警戒しながら、高木さんの方に顔を向けて話した。 「なんだい?高木さん。 」 ー その時、俺の左横の席から誰かの声が聞こえてくる。 「西片くん。 おはよう。 」 その声に思わず反応した俺は、顔を左の席の方に振り向いた。 すると、そこにはひとりの女子生徒が座っている。 女子生徒は俺の顔を見つめながら微笑んでいた。 微笑んでいる女子生徒は、黒髪のフワッとしたボブヘアーで、黒い瞳の目がクリッとした、可愛い印象の女の子だった。 " あれ?誰だっけ?" 俺の名前を呼び、俺の顔を見つめて微笑んでいる、この女子生徒を俺は誰だかわからなかった。 俺はドギマギとしながら話し掛ける。 「おはよう。 えっと…誰だっけ?」 「えっ、西片くん。 私を知らないの?1年から2年まで西片くんと一緒のクラスだったんだよ。 」 女子生徒は驚きの顔を見せながら俺に話した。 「1年から2年まで、俺と一緒のクラスだった…?」 「もしかして、西片くん。 2年間も一緒のクラスだった私を覚えてないの?三原だよ。 」 「三原…」 どうしても俺は思い出せない。 そもそも俺は、高木さんと、中井くんの彼女の真野さんしか女子生徒は知らないのだ。 他の女子生徒は話しかけられた事もないし、自分から話しかけた事もない。 それなのに、この三原という女子生徒は俺を見つめながら話しかけてきた。 「三原さんか…ごめん。 覚えてない…。 」 「そうか…西片くんは私を覚えてないんだね…それだけ私は影が薄かったんだ…。 」 俺の話しを聞いた三原という女子生徒はガッカリとした顔をする。 すると、高木さんが明るい笑顔を見せながら、三原という女子生徒に話しかけた。 「あっ、三原さん。 おはよう。 」 だが、三原という女子生徒は高木さんの方には振り向かず、顔を正面に向きながら、素っ気ない感じで高木さんに返事を返した。 「おはよう。 高木さん。 」 それを見た俺は違和感を感じる。 "アレ?三原さんは、もしかして、高木さんの事を嫌っているのか?" 俺は右横にいる高木さんの方に振り向く。 すると、三原という女子生徒の素っ気ない返事を聞いたせいだろうか。 高木さんはちょっと顔に苦笑いを浮かべていた。 ー そして、朝の朝礼が終わり、一時限目の授業が始まった。 一時限目の授業はあの、俺のクラスの担任で、怒らしたら怖い英語担当の田辺先生の授業だった。 (英語が担当なのに何故か、体育会系のジャージー姿。 俺はこの田辺先生から目をつけられている。 今回も授業中に騒いだら、また、教室の掃除を俺一人でさせられるかも。 そう思った俺は、ピンと背筋を伸ばし、真面目に授業に集中した。 だが、真面目に授業を受けている俺に、高木さんは容赦なくからかいにくる。 俺にとっては一番の弱点、わき腹を高木さんはツンと指で刺したのだ。 俺はわき腹を指で刺された事で思わずこそばゆさを感じ、大きな声が出そうになった。 大きな声が出そうなのを我慢した俺は、高木さんに声をひそめながら話す。 「やめてよ、高木さん。 「先生!高木さんが先ほどから、西片くんが勉強をしているのを邪魔しています!注意してください!」 三原という女子生徒は高木さんを指差しながら大きな声で話す。 それを聞いたクラスメイトは高木さんに注目した。 田辺先生は頭を掻きながら、座っている高木さんに向かって質問した。 「本当か、高木。 西片の勉強の邪魔をしていたというのは。 」 「・・・・」 高木さんは先生の質問に何も答えない。 クラスメイトは相変わらず高木さんに注目していた。 「立て!高木ーっ!」 田辺先生は黙って座っている高木さんに大きな声で叫ぶ。 その田辺先生の声を聞いた高木さんは静かに立ち上がった。 「もう一度聞く。 お前は西片の勉強を邪魔していたのか?」 高木さんは顔を下にうつむきながら先生の質問に答える。 「・・・はい。 」 「そうか。 高木、後でちょっと職員室に来い。 」 ー その時、俺の心情はちょっと複雑だった。 確かに、高木さんは、俺が真剣に授業を受けているのを邪魔していた。 普通だったら、高木さんが先生に怒られるのは俺としては喜ぶべきなのに、なんでか俺は素直に喜べない。 それどころか、俺の心が痛んでくる。 女の子が怒られる姿を見るのは、俺としては嫌な気分になる。 ー 高木さんは、黙って椅子に座ると、机の上にあるノートに目を落とした。 心配になった俺は高木さんに声をかける。 「高木さん、大丈夫?」 だが、高木さんは俺の方には振り向かず、黙ってノートを取り始めた。 それを見た俺は、また、高木さんに声をかける。 「高木さん、」 その時、左の席に座っている三原さんが俺に声をかけてきた。 「ねぇ、西片くん。 」 声をかけられた俺は、思わず左の席に振り向く。 すると、万年の笑みを浮かべながら俺を見つめている三原さんの顔がそこにあった。 「西片くん。 良かったね。 これで安心して、授業が受けられるよ。 」 それを見た俺は、思わずゾクッとする。 この三原という女の子、なんだかヤバイ感じがする。 ー 職員室に呼ばれた高木さんは、コッテリと田辺先生に叱られた。 そして、その日の放課後。 誰も居なくなった教室に、高木さんはひとり、箒を持って立っていた。 田辺先生に叱られた高木さんは、ひとりで教室を掃除するように言われたのだ。 本来なら、俺が教室の居残り掃除をさせられていたのだが、今回は珍しく高木さんが居残り掃除をさせられている。 それを見た俺は、懸命に掃除をしている高木さんに声をかけた。 「高木さん。 」 だが、高木さんは俺の方には振り向かず、黙って掃除を続けていた。 それを見た俺は、教室にある掃除箱から箒を持ってくると、高木さんと一緒に掃除を始めた。 俺が箒を持って掃除をやり始めた事に、高木さんは黙っていた口を開く。 「あっ、西片。 別に掃除を手伝わなくてもいいよ。 私ひとりで教室の掃除をするように言われたから。 」 「いいんだよ、高木さん。 俺が居残り掃除をしている時、高木さんは俺の掃除を何度も手伝ってくれたから。 」 それを聞いた高木さんは、いつもの明るい表情に変わる。 「ありがとう、西片。 」 「う、うん。 それより早く掃除をして、俺と一緒に帰ろう。 」 「わかった。 ねえ西片。 帰る時、西片をからかってもいい?」 「怒るよ!高木さん!」 「あはははーっ!」 いつもの高木さんに戻った事で俺は安心する。 ーー だが、高木さんと俺は知らなかった。 廊下側から俺と高木さんが教室にいるのを睨みつけながら観ているひとつの影を。 「高木さん、貴方だけは絶対に許さない!私の西片くんを取ったのは絶対に許さない!!」 その影は、爪を噛みながら凄い形相で高木さんを睨んでいるあの、三原という女子生徒であった。 ー しかし、俺と高木さんはそんな事は知らず、ふたりで楽しく居残り掃除を続けていた…。

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#1 西片の逆行

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からかい上手の高木さん短編小説。 俺と高木さんは3年へと進級した。 高木さんと一緒にいられるのも、あと一年。 来年の春には高木さんが居なくなる。 俺にとっても大切な一年間だ。 そして今回もまた、俺は高木さんと同じクラスになる。 3年間も同じクラスになるのは本当に奇跡的な事だ。 ー そして進級してからの初登校の日。 新しい教室に足を踏み入れた俺は、いきなり背後から誰かに声を掛けられた。 「西片、おはよう。 」 思わず俺は後ろを振り返る。 すると、俺の目の前に、高木さんが白い長袖のセーラー服を着て立っていた。 その高木さんの姿を見た俺は、いつもの通りに朝の挨拶をする。 「おはよう。 高木さん。 」 すると高木さんは俺の顔を見つめながら話した。 「ねぇ、西片。 今回もまた、一緒のクラスになったね。 今年最後の一年間、よろしく。 」 それを聞いた俺はなんだか恥ずかしくなり、高木さんの目線を外しながら話した。 「う、うん。 よろしく…」 高木さんに朝の挨拶を済ませると、俺は新しい教室の席へと座る。 今回もまた、俺と高木さんは教室の一番後方で、机を一緒に隣り合った席だった。 これで3年間、俺と高木さんは同じ隣り合った席になる。 本当に奇跡的な事だ。 ちなみに今回の席の配置は、高木さんが教室の後ろの扉に近い廊下側の席で、俺は外の窓際側に近い、左横の席だった。 この席の配置は、一年の時の席替えで経験している。 高木さんも、新しい教室の席へと座ると、さっそく俺に話し掛けてきた。 「ねえ、西片。 」 高木さんに話しかけられた俺はピンとくる。 "高木さん。 さっそく、俺をからかいにきたのか?" 俺はからかわれるのを警戒しながら、高木さんの方に顔を向けて話した。 「なんだい?高木さん。 」 ー その時、俺の左横の席から誰かの声が聞こえてくる。 「西片くん。 おはよう。 」 その声に思わず反応した俺は、顔を左の席の方に振り向いた。 すると、そこにはひとりの女子生徒が座っている。 女子生徒は俺の顔を見つめながら微笑んでいた。 微笑んでいる女子生徒は、黒髪のフワッとしたボブヘアーで、黒い瞳の目がクリッとした、可愛い印象の女の子だった。 " あれ?誰だっけ?" 俺の名前を呼び、俺の顔を見つめて微笑んでいる、この女子生徒を俺は誰だかわからなかった。 俺はドギマギとしながら話し掛ける。 「おはよう。 えっと…誰だっけ?」 「えっ、西片くん。 私を知らないの?1年から2年まで西片くんと一緒のクラスだったんだよ。 」 女子生徒は驚きの顔を見せながら俺に話した。 「1年から2年まで、俺と一緒のクラスだった…?」 「もしかして、西片くん。 2年間も一緒のクラスだった私を覚えてないの?三原だよ。 」 「三原…」 どうしても俺は思い出せない。 そもそも俺は、高木さんと、中井くんの彼女の真野さんしか女子生徒は知らないのだ。 他の女子生徒は話しかけられた事もないし、自分から話しかけた事もない。 それなのに、この三原という女子生徒は俺を見つめながら話しかけてきた。 「三原さんか…ごめん。 覚えてない…。 」 「そうか…西片くんは私を覚えてないんだね…それだけ私は影が薄かったんだ…。 」 俺の話しを聞いた三原という女子生徒はガッカリとした顔をする。 すると、高木さんが明るい笑顔を見せながら、三原という女子生徒に話しかけた。 「あっ、三原さん。 おはよう。 」 だが、三原という女子生徒は高木さんの方には振り向かず、顔を正面に向きながら、素っ気ない感じで高木さんに返事を返した。 「おはよう。 高木さん。 」 それを見た俺は違和感を感じる。 "アレ?三原さんは、もしかして、高木さんの事を嫌っているのか?" 俺は右横にいる高木さんの方に振り向く。 すると、三原という女子生徒の素っ気ない返事を聞いたせいだろうか。 高木さんはちょっと顔に苦笑いを浮かべていた。 ー そして、朝の朝礼が終わり、一時限目の授業が始まった。 一時限目の授業はあの、俺のクラスの担任で、怒らしたら怖い英語担当の田辺先生の授業だった。 (英語が担当なのに何故か、体育会系のジャージー姿。 俺はこの田辺先生から目をつけられている。 今回も授業中に騒いだら、また、教室の掃除を俺一人でさせられるかも。 そう思った俺は、ピンと背筋を伸ばし、真面目に授業に集中した。 だが、真面目に授業を受けている俺に、高木さんは容赦なくからかいにくる。 俺にとっては一番の弱点、わき腹を高木さんはツンと指で刺したのだ。 俺はわき腹を指で刺された事で思わずこそばゆさを感じ、大きな声が出そうになった。 大きな声が出そうなのを我慢した俺は、高木さんに声をひそめながら話す。 「やめてよ、高木さん。 「先生!高木さんが先ほどから、西片くんが勉強をしているのを邪魔しています!注意してください!」 三原という女子生徒は高木さんを指差しながら大きな声で話す。 それを聞いたクラスメイトは高木さんに注目した。 田辺先生は頭を掻きながら、座っている高木さんに向かって質問した。 「本当か、高木。 西片の勉強の邪魔をしていたというのは。 」 「・・・・」 高木さんは先生の質問に何も答えない。 クラスメイトは相変わらず高木さんに注目していた。 「立て!高木ーっ!」 田辺先生は黙って座っている高木さんに大きな声で叫ぶ。 その田辺先生の声を聞いた高木さんは静かに立ち上がった。 「もう一度聞く。 お前は西片の勉強を邪魔していたのか?」 高木さんは顔を下にうつむきながら先生の質問に答える。 「・・・はい。 」 「そうか。 高木、後でちょっと職員室に来い。 」 ー その時、俺の心情はちょっと複雑だった。 確かに、高木さんは、俺が真剣に授業を受けているのを邪魔していた。 普通だったら、高木さんが先生に怒られるのは俺としては喜ぶべきなのに、なんでか俺は素直に喜べない。 それどころか、俺の心が痛んでくる。 女の子が怒られる姿を見るのは、俺としては嫌な気分になる。 ー 高木さんは、黙って椅子に座ると、机の上にあるノートに目を落とした。 心配になった俺は高木さんに声をかける。 「高木さん、大丈夫?」 だが、高木さんは俺の方には振り向かず、黙ってノートを取り始めた。 それを見た俺は、また、高木さんに声をかける。 「高木さん、」 その時、左の席に座っている三原さんが俺に声をかけてきた。 「ねぇ、西片くん。 」 声をかけられた俺は、思わず左の席に振り向く。 すると、万年の笑みを浮かべながら俺を見つめている三原さんの顔がそこにあった。 「西片くん。 良かったね。 これで安心して、授業が受けられるよ。 」 それを見た俺は、思わずゾクッとする。 この三原という女の子、なんだかヤバイ感じがする。 ー 職員室に呼ばれた高木さんは、コッテリと田辺先生に叱られた。 そして、その日の放課後。 誰も居なくなった教室に、高木さんはひとり、箒を持って立っていた。 田辺先生に叱られた高木さんは、ひとりで教室を掃除するように言われたのだ。 本来なら、俺が教室の居残り掃除をさせられていたのだが、今回は珍しく高木さんが居残り掃除をさせられている。 それを見た俺は、懸命に掃除をしている高木さんに声をかけた。 「高木さん。 」 だが、高木さんは俺の方には振り向かず、黙って掃除を続けていた。 それを見た俺は、教室にある掃除箱から箒を持ってくると、高木さんと一緒に掃除を始めた。 俺が箒を持って掃除をやり始めた事に、高木さんは黙っていた口を開く。 「あっ、西片。 別に掃除を手伝わなくてもいいよ。 私ひとりで教室の掃除をするように言われたから。 」 「いいんだよ、高木さん。 俺が居残り掃除をしている時、高木さんは俺の掃除を何度も手伝ってくれたから。 」 それを聞いた高木さんは、いつもの明るい表情に変わる。 「ありがとう、西片。 」 「う、うん。 それより早く掃除をして、俺と一緒に帰ろう。 」 「わかった。 ねえ西片。 帰る時、西片をからかってもいい?」 「怒るよ!高木さん!」 「あはははーっ!」 いつもの高木さんに戻った事で俺は安心する。 ーー だが、高木さんと俺は知らなかった。 廊下側から俺と高木さんが教室にいるのを睨みつけながら観ているひとつの影を。 「高木さん、貴方だけは絶対に許さない!私の西片くんを取ったのは絶対に許さない!!」 その影は、爪を噛みながら凄い形相で高木さんを睨んでいるあの、三原という女子生徒であった。 ー しかし、俺と高木さんはそんな事は知らず、ふたりで楽しく居残り掃除を続けていた…。

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「からかい上手の高木さん」←成功「イジらないで、長瀞さん」←失敗

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からかい上手の高木さん短編小説。 俺と高木さんは3年へと進級した。 高木さんと一緒にいられるのも、あと一年。 来年の春には高木さんが居なくなる。 俺にとっても大切な一年間だ。 そして今回もまた、俺は高木さんと同じクラスになる。 3年間も同じクラスになるのは本当に奇跡的な事だ。 ー そして進級してからの初登校の日。 新しい教室に足を踏み入れた俺は、いきなり背後から誰かに声を掛けられた。 「西片、おはよう。 」 思わず俺は後ろを振り返る。 すると、俺の目の前に、高木さんが白い長袖のセーラー服を着て立っていた。 その高木さんの姿を見た俺は、いつもの通りに朝の挨拶をする。 「おはよう。 高木さん。 」 すると高木さんは俺の顔を見つめながら話した。 「ねぇ、西片。 今回もまた、一緒のクラスになったね。 今年最後の一年間、よろしく。 」 それを聞いた俺はなんだか恥ずかしくなり、高木さんの目線を外しながら話した。 「う、うん。 よろしく…」 高木さんに朝の挨拶を済ませると、俺は新しい教室の席へと座る。 今回もまた、俺と高木さんは教室の一番後方で、机を一緒に隣り合った席だった。 これで3年間、俺と高木さんは同じ隣り合った席になる。 本当に奇跡的な事だ。 ちなみに今回の席の配置は、高木さんが教室の後ろの扉に近い廊下側の席で、俺は外の窓際側に近い、左横の席だった。 この席の配置は、一年の時の席替えで経験している。 高木さんも、新しい教室の席へと座ると、さっそく俺に話し掛けてきた。 「ねえ、西片。 」 高木さんに話しかけられた俺はピンとくる。 "高木さん。 さっそく、俺をからかいにきたのか?" 俺はからかわれるのを警戒しながら、高木さんの方に顔を向けて話した。 「なんだい?高木さん。 」 ー その時、俺の左横の席から誰かの声が聞こえてくる。 「西片くん。 おはよう。 」 その声に思わず反応した俺は、顔を左の席の方に振り向いた。 すると、そこにはひとりの女子生徒が座っている。 女子生徒は俺の顔を見つめながら微笑んでいた。 微笑んでいる女子生徒は、黒髪のフワッとしたボブヘアーで、黒い瞳の目がクリッとした、可愛い印象の女の子だった。 " あれ?誰だっけ?" 俺の名前を呼び、俺の顔を見つめて微笑んでいる、この女子生徒を俺は誰だかわからなかった。 俺はドギマギとしながら話し掛ける。 「おはよう。 えっと…誰だっけ?」 「えっ、西片くん。 私を知らないの?1年から2年まで西片くんと一緒のクラスだったんだよ。 」 女子生徒は驚きの顔を見せながら俺に話した。 「1年から2年まで、俺と一緒のクラスだった…?」 「もしかして、西片くん。 2年間も一緒のクラスだった私を覚えてないの?三原だよ。 」 「三原…」 どうしても俺は思い出せない。 そもそも俺は、高木さんと、中井くんの彼女の真野さんしか女子生徒は知らないのだ。 他の女子生徒は話しかけられた事もないし、自分から話しかけた事もない。 それなのに、この三原という女子生徒は俺を見つめながら話しかけてきた。 「三原さんか…ごめん。 覚えてない…。 」 「そうか…西片くんは私を覚えてないんだね…それだけ私は影が薄かったんだ…。 」 俺の話しを聞いた三原という女子生徒はガッカリとした顔をする。 すると、高木さんが明るい笑顔を見せながら、三原という女子生徒に話しかけた。 「あっ、三原さん。 おはよう。 」 だが、三原という女子生徒は高木さんの方には振り向かず、顔を正面に向きながら、素っ気ない感じで高木さんに返事を返した。 「おはよう。 高木さん。 」 それを見た俺は違和感を感じる。 "アレ?三原さんは、もしかして、高木さんの事を嫌っているのか?" 俺は右横にいる高木さんの方に振り向く。 すると、三原という女子生徒の素っ気ない返事を聞いたせいだろうか。 高木さんはちょっと顔に苦笑いを浮かべていた。 ー そして、朝の朝礼が終わり、一時限目の授業が始まった。 一時限目の授業はあの、俺のクラスの担任で、怒らしたら怖い英語担当の田辺先生の授業だった。 (英語が担当なのに何故か、体育会系のジャージー姿。 俺はこの田辺先生から目をつけられている。 今回も授業中に騒いだら、また、教室の掃除を俺一人でさせられるかも。 そう思った俺は、ピンと背筋を伸ばし、真面目に授業に集中した。 だが、真面目に授業を受けている俺に、高木さんは容赦なくからかいにくる。 俺にとっては一番の弱点、わき腹を高木さんはツンと指で刺したのだ。 俺はわき腹を指で刺された事で思わずこそばゆさを感じ、大きな声が出そうになった。 大きな声が出そうなのを我慢した俺は、高木さんに声をひそめながら話す。 「やめてよ、高木さん。 「先生!高木さんが先ほどから、西片くんが勉強をしているのを邪魔しています!注意してください!」 三原という女子生徒は高木さんを指差しながら大きな声で話す。 それを聞いたクラスメイトは高木さんに注目した。 田辺先生は頭を掻きながら、座っている高木さんに向かって質問した。 「本当か、高木。 西片の勉強の邪魔をしていたというのは。 」 「・・・・」 高木さんは先生の質問に何も答えない。 クラスメイトは相変わらず高木さんに注目していた。 「立て!高木ーっ!」 田辺先生は黙って座っている高木さんに大きな声で叫ぶ。 その田辺先生の声を聞いた高木さんは静かに立ち上がった。 「もう一度聞く。 お前は西片の勉強を邪魔していたのか?」 高木さんは顔を下にうつむきながら先生の質問に答える。 「・・・はい。 」 「そうか。 高木、後でちょっと職員室に来い。 」 ー その時、俺の心情はちょっと複雑だった。 確かに、高木さんは、俺が真剣に授業を受けているのを邪魔していた。 普通だったら、高木さんが先生に怒られるのは俺としては喜ぶべきなのに、なんでか俺は素直に喜べない。 それどころか、俺の心が痛んでくる。 女の子が怒られる姿を見るのは、俺としては嫌な気分になる。 ー 高木さんは、黙って椅子に座ると、机の上にあるノートに目を落とした。 心配になった俺は高木さんに声をかける。 「高木さん、大丈夫?」 だが、高木さんは俺の方には振り向かず、黙ってノートを取り始めた。 それを見た俺は、また、高木さんに声をかける。 「高木さん、」 その時、左の席に座っている三原さんが俺に声をかけてきた。 「ねぇ、西片くん。 」 声をかけられた俺は、思わず左の席に振り向く。 すると、万年の笑みを浮かべながら俺を見つめている三原さんの顔がそこにあった。 「西片くん。 良かったね。 これで安心して、授業が受けられるよ。 」 それを見た俺は、思わずゾクッとする。 この三原という女の子、なんだかヤバイ感じがする。 ー 職員室に呼ばれた高木さんは、コッテリと田辺先生に叱られた。 そして、その日の放課後。 誰も居なくなった教室に、高木さんはひとり、箒を持って立っていた。 田辺先生に叱られた高木さんは、ひとりで教室を掃除するように言われたのだ。 本来なら、俺が教室の居残り掃除をさせられていたのだが、今回は珍しく高木さんが居残り掃除をさせられている。 それを見た俺は、懸命に掃除をしている高木さんに声をかけた。 「高木さん。 」 だが、高木さんは俺の方には振り向かず、黙って掃除を続けていた。 それを見た俺は、教室にある掃除箱から箒を持ってくると、高木さんと一緒に掃除を始めた。 俺が箒を持って掃除をやり始めた事に、高木さんは黙っていた口を開く。 「あっ、西片。 別に掃除を手伝わなくてもいいよ。 私ひとりで教室の掃除をするように言われたから。 」 「いいんだよ、高木さん。 俺が居残り掃除をしている時、高木さんは俺の掃除を何度も手伝ってくれたから。 」 それを聞いた高木さんは、いつもの明るい表情に変わる。 「ありがとう、西片。 」 「う、うん。 それより早く掃除をして、俺と一緒に帰ろう。 」 「わかった。 ねえ西片。 帰る時、西片をからかってもいい?」 「怒るよ!高木さん!」 「あはははーっ!」 いつもの高木さんに戻った事で俺は安心する。 ーー だが、高木さんと俺は知らなかった。 廊下側から俺と高木さんが教室にいるのを睨みつけながら観ているひとつの影を。 「高木さん、貴方だけは絶対に許さない!私の西片くんを取ったのは絶対に許さない!!」 その影は、爪を噛みながら凄い形相で高木さんを睨んでいるあの、三原という女子生徒であった。 ー しかし、俺と高木さんはそんな事は知らず、ふたりで楽しく居残り掃除を続けていた…。

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